「幸せを感じる」お金の使い方を知ろう。なんでもかんでも節約するのはもったいない。
「自分が何にお金を使えば幸せなのか」と聞かれて、すぐ答えられる人は少ないと思う。洋服、マンガ、スポーツ、外食、旅行。使う先は人によって違うし、同じ人でも月によって変わる。
使えるお金が無限にあるなら、そんなことを考える必要はない。しかし実際は違う。大学生ならなおさらで、限られた金額をやりくりしなければならない。ならばその限られたお金は、自分が満足できるものに使いたい。
僕は先月、ゲームにまとまった金額を使って、あとから「これは無駄だった」と感じた。逆に、節約を頑張った月は、お金は残ったのにストレスだけが溜まった。この記事は、その失敗から学んだお金の使い方の話だ。金額の話ではなく、配分の話だと思って読んでほしい。
節約だけでは続かない
節約は数字が減るので、達成感がある。財布の中身が増えていくのは気持ちがいい。だから始めると、どんどん削りたくなる。
ただ、我慢を続けると、たいてい反動が来る。使いたいものを我慢した分、別のところで無駄に使ってしまう。しかも我慢は記録に残らない。削った金額は分かっても、削ったことで失った気分は数字にならない。だから節約の効果を過大に見積もってしまう。
生活が味気なくなると、何のためにお金を貯めているのか分からなくなる。
僕がそうだった。使う金額を減らすことだけを目標にした月は、確かに残高は増えた。しかし振り返ると、何をして過ごしたのか思い出せない。節約そのものが目的になってしまっていた。
削る場所と残す場所
大事なのは、全部を均等に削ることではなく、削る場所と残す場所を分けることだ。自分にとって価値が高いものには厚く使い、低いものは削る。
この判断をするには、まず自分が何に価値を感じているかを知る必要がある。ところが、これが意外と分かっていない。他人の基準で「いい」とされているものに、なんとなくお金を使っている。
広告やSNSは、これがいいと言ってくる。その言葉をそのまま信じていると、自分の好みではなく、誰かの好みのためにお金を使うことになる。
幸せポイントという考え方
幸福度にお金が効くのは、使い方しだいだと言われる。同じ金額でも、使い先によって得られる満足はまるで違う。だから「幸せを感じるためにお金を使う場所」を、自分の中に決めておくといい。
僕はそれを勝手に「幸せポイント」と呼んでいる。そこに使えている月は機嫌がよく、そこを削ると別のことでイライラする。分かってしまえば単純な話だが、気づくまでに時間がかかった。
人によっては旅行かもしれないし、音楽かもしれない。ゲームの人もいるだろう。何がそれにあたるかは、自分で見つけるしかない。
見つけ方
僕は三ヶ月ほど試行錯誤した。一ヶ月目は、とにかく記録だけをつけた。二ヶ月目は、使ったあとに「よかった」「よくなかった」を書き分けた。三ヶ月目に、配分を変えてみた。
記録すると、思っていたのと違うものが見えてくる。「好きだと思っていたものに、実はそれほど満足していない」という発見がある。逆に、たいした金額ではないものに、毎回救われていることもある。
最初は「もっと我慢すれば貯まる」と考えていた。実際にやってみると、我慢を減らした月のほうが、なぜか無駄遣いが少なかった。理由は単純で、機嫌がいいと衝動買いをしないからだ。
自分の答え
今の僕の幸せポイントは三つだ。おいしいごはん、服、少しの娯楽。映画と本がそれにあたる。
この三つにお金を使えている月は、生活全体がうまく回る。逆にここを削ると、節約しているのに機嫌が悪くなる。人に言うと単純すぎて笑われるが、自分にとっては大事な発見だった。
三つに絞れたのは、逆に言えばそれ以外は諦めがついたからでもある。全部を大事にしようとすると、どれも薄くなる。
予算の中で傾斜をつける
毎月自由に使える金額は、そう大きくは変わらない。その中で何にいくら使うかを決める。全部を均等に分ける必要はない。均等にすると、どの出費も中途半端になる。
先に「ここは削らない」という線を引くのがコツだ。残りを調整すればいい。削らない線があるだけで、我慢している感覚がかなり減る。
配分は金額で決めてもいいし、割合で決めてもいい。大事なのは、決めた理由を自分で説明できることだ。説明できない配分は、すぐに崩れる。
記録は大ざっぱでいい
家計簿アプリを使っている。口座やカードを連携させると自動で記録されるので、手入力の手間がない。マネーフォワードやZaimのような種類のものだ。
最初から細かく分類しようとすると続かない。食費、服、娯楽、その他。この四つくらいで十分だった。正確さより、続けられることのほうが大事だ。
記録を見返すのは月末だけでいい。毎日見ると、少ない残高に気持ちが引っ張られる。数字は管理の道具であって、評価ではない。
アプリのグラフは、使いすぎを責めるためではなく、傾向を知るためにある。見て落ち込むだけなら、見る頻度を減らしたほうがいい。
削っていい出費
- 使っていないサブスクリプション。
- 習慣で買っているコンビニの飲み物。
- なんとなく参加している飲み会。
- 安いからという理由だけで買ったもの。
- 流行っているから試しただけのサービス。
- 使わないまま置いている道具。
共通しているのは、自分で選んでいない出費だということ。習慣や流れで払っているものは、削っても満足度がほとんど下がらない。
一つずつ解約したり、断ったりするのは気が重い。だから月に一つだけ、と決めてやるようにした。半年もすれば、かなり整理される。
少額でも満足度は上がる
| 項目 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 食費 | 外食と自炊 | 削らない線を引く |
| 服 | 季節ごとの買い足し | 数を決めて選ぶ |
| 娯楽 | 映画、本、音楽 | 月の上限を決める |
| 交際費 | 友人との食事 | 回数で調整する |
| 日用品 | 洗剤、掃除道具など | まとめ買いで済ませる |
| 予備費 | 急な出費への備え | 最初に取り分ける |
金額と満足度は比例しない。千円の本、数百円のコーヒー、友人との食事。安いものが心に残ることもあれば、高い買い物がすぐ色あせることもある。
値段が高いものは、期待も大きくなる。期待が大きいと、ちょっとした不満が不満に見える。その点、安いものは期待が小さいぶん、満足が上回りやすい。
人と比べない
SNSを見ていると、他人の使い方が正解に見えてくる。旅行に行く人、高い服を買う人、いい店を知っている人。しかしそれは、その人の幸せポイントであって、自分のものではない。
比べると、欲しくもないものにお金を使うことになる。これが一番もったいない。他人の満足を買っても、自分の満足にはならない。
服でも同じことが起きる。人が着ているから欲しくなる。店で手に取ったときに、自分の姿が想像できるかどうかで決めるようにした。
失敗した使い方の振り返り
ゲームに使った金額は、今振り返ると悔しい。楽しかった時間はあったが、そのあとに残ったものは少なかった。同じ金額を食費に回していたら、何度も満足できたはずだ。
失敗を記録しておくと、次に同じ誘惑が来たときに思い出せる。意志の強さに頼るより、過去の自分が残したメモのほうが役に立つ。
失敗を責める必要はない。使った金額と、そのあとの気持ちを一行だけ残す。それだけで、次の判断が少し変わる。
予備費を先に取る
予算を組むとき、最初に予備費を取るようにしている。急な出費は必ずと言っていいほどある。友人からの誘い、体調を崩したときの薬代、壊れたものの買い替え。
予備費がないと、そうした出費が全部「予定外の失敗」になる。最初から想定しておけば、使っても罪悪感が残らない。
予備費は使うためにある。使わずに残ったら、翌月に回す。残すこと自体を目的にすると、使うときに迷う。
続けるための仕組み
意志に頼ると崩れる。月初に配分を決めて、月末に一度だけ振り返る。それだけでいい。毎日チェックすると疲れて、記録そのものをやめたくなる。
一度決めた配分も、生活が変われば見直す。バイトが増えた、一人暮らしを始めた、授業が忙しくなった。固定したルールにしないほうが長く続く。
一年続けて分かったのは、お金の使い方は定期的に変わるということだ。季節でも変わるし、人間関係でも変わる。決め直す手間を惜しまないほうがいい。
配分を変えるときは、前の月に何が足りなかったかを思い出す。足りなかったものを増やし、余ったものを減らす。それだけの作業で、満足度は上がる。
まとめ
お金の使い方は、我慢の量ではなく配分の問題だ。自分が何に幸せを感じるかを知り、そこに厚く使う。それ以外は、ほどほどでいい。
全部を完璧に管理する必要はない。ひと月ずつ試して、自分なりの答えを見つければいい。僕もまだ試行錯誤の途中で、来月には配分が変わっているかもしれない。
それでいいと思っている。一度決めた正解を守ることより、自分の状態に合わせて調整し続けることのほうが、結局は満足につながる。
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