3ヶ月で留学に飽きたので、日本に帰国しちゃいました。
留学は、行く前の想像と、行ったあとの現実が違う。自分は一年間の予定でアメリカに渡ったが、三ヶ月で帰ることにした。途中でやめた話はあまり聞かないので、書いておこうと思う。
結論から言うと、後悔はしていない。行ったから分かったことがあり、やめたから戻れたものがある。どちらも、自分には必要だった。
この記事は、留学を勧める話でも、止める話でもない。途中で合わなくなることがある、という事実を残しておきたいだけだ。
予定より早く帰ることにした
最初の予定では、半年あまりを現地で過ごすはずだった。前半は語学コース、後半は大学の授業を取る。そういう計画を立てていた。
ところが、実際に始まってみると、思うように気持ちが乗らなかった。気づいたときには、帰国の便を調べていた。
決断は、ある日突然だった。何かの事件があったわけではない。積み重なった違和感が、ある時点で言葉になった感じだ。
留学先はカリフォルニア
行き先は、ロサンゼルスに近い州立大学だった。雨がほとんど降らず、夏でも湿気が少ない。過ごしやすい気候で、海も近かった。
環境は、想像していたよりずっと良かった。空が広くて、街がだらっと広がっている。日本の詰まった感じがなく、最初はそれだけで気分が上がった。
住む場所としては、申し分なかった。問題は、環境ではなく、自分の目的のほうにあった。
決めた理由は憧れだった
留学を決めたのは、はっきりした目標があったからではない。「一度は行っておかないと後悔する」という、漠然とした気持ちだった。
海外でこれを学びたい、という強い思いはなかった。英語ができたらかっこいいな、くらいの軽さだった。今思えば、それがすべての原因だ。
動機が軽いこと自体は、悪くない。ただ、目的がないまま現地に着くと、方向を失いやすい。自分がそうなった。
語学コースが始まる
最初の三ヶ月は、大学付属の語学コースに入った。朝の九時から昼の三時まで、ほぼ毎日授業がある。想像より、学校らしい毎日だった。
クラスには、いろいろな国から来た学生がいた。年齢も背景もばらばらで、話していると刺激になった。人間関係は、悪くなかった。
生活の立ち上がりも早かった。寮と教室の往復が決まれば、あとは慣れるだけだ。最初の二週間を過ぎると、不安はかなり減っていた。
授業の内容
授業は大きく三つに分かれていた。読むことと書くこと、文法、そして聞くことと話すこと。名前のとおりの構成だった。
書く授業では、文章を読み、エッセイを書く。文法の授業では、決まった範囲を順番に進める。話す授業では、プレゼンをすることが多かった。
どれも、真面目な作りだった。真面目すぎて、自分には退屈だった。受験勉強でさんざんやった内容が、形を変えて戻ってきた感じがした。
授業が面白くなかった
一番の問題は、授業が面白くないことだった。これは、環境のせいではない。自分の興味の問題だと思う。
大学受験のために、それなりに英語を勉強してきた。だから、基本をなぞる授業に、新しい発見が少なかった。分からないことが、ほとんどなかった。
分からないから面白い、という側面はある。分かってしまうと、時間が長く感じる。毎日六時間、それが続くと、さすがに応えた。
モチベーションが下がる
六月の終わりから七月のはじめにかけて、気持ちがはっきり下がった。授業に行くのが、義務のように感じられた。
友達と過ごす時間は楽しかった。それでも、一日の大部分を占める授業がつまらないと、全体の満足度は下がる。当たり前のことだった。
週末は遊んで、平日は我慢する。その繰り返しの中で、「これなら日本でも同じでは」と思うようになった。
大学の授業にも向かなかった
後半は、大学の授業を取る予定だった。八月の終わりから始まる。ただ、その頃には、その授業を楽しみにする気持ちがなかった。
アメリカまで来て勉強したい分野が、自分には特になかった。行きたい授業があるわけでもなく、選ぶ理由が見つからなかった。
留学生の扱いは、現地の学生と同じではない。取りたい授業が自由に取れるわけでもなかった。その制約も、気持ちを削いだ。
帰国を決めるまで
決断は、それほど重くなかった。留学を体験した。だから帰ろう。そう思ったら、迷いはなかった。
漠然とした憧れで来たのだから、漠然と終わらせてもいい。そのくらいの軽さで、自分を納得させた。
周りには驚かれた。もったいないと言う人もいた。ただ、自分の中では、もう結論が出ていた。残る理由を探すほうが、難しかった。
後悔はしていない
行ったこと自体には、後悔がない。海も見たし、街も歩いた。日本では出会わない人とも話した。それは確かに、自分の一部になっている。
やめたことにも、後悔はない。合わない場所に居続けるほうが、時間の無駄だった。戻ってから、別のことに時間を使えた。
ただ、準備不足だったとは思う。目的を決めずに行けば、こうなる可能性は高い。それは、反省点だ。
もう一つ思うのは、途中でやめた人同士で話す機会がほとんどないことだ。成功した人の話は多くても、やめた人の話は少ない。だから、自分が合わないと感じたときに、比較できる例がなかった。
合わないと感じている人は、自分だけだと思わないでほしい。行ってから決める、という選択肢も、ちゃんとある。
帰国してからの予定
大学は一年間休学していたので、帰っても授業はない。完全に自由な状態だった。それはそれで、少し怖かった。
何もしないまま終わるのは嫌だったので、千葉の田舎町にあるコミュニティスペースで、一ヶ月ほどお世話になることにした。
その先のことは、決めていなかった。決めずに動くのは不安だが、決めすぎても動けなくなる。そのくらいの緩さが、当時の自分にはちょうどよかった。
短期で終わる人の特徴
途中で帰る人は、少ないかもしれないが、ゼロではない。自分の場合は、次のような状態だった。
| 項目 | 当時の自分 | 長続きする人の例 |
|---|---|---|
| 留学の目的 | 漠然とした憧れ | 学びたい分野が決まっている |
| 授業への姿勢 | 退屈だと感じた | 足りない部分を自分で補う |
| 人間関係 | 悪くはなかった | 外にも意識的に出る |
| 予定の長さ | 一年を決め打ちした | 短い期間から延ばす |
| 合わないとき | 我慢して過ごした | 早めに環境を変える |
| 帰国の判断 | 勢いで決めた | 期限を決めて考えた |
表を見ると、どれも大きな失敗ではない。ただ、重なると効いてくる。特に、目的が曖昧なまま期間だけ長く取るのは危ない。
期間は短く始めたほうがいい
留学を考えているなら、最初から長い期間を決めないほうがいい。三ヶ月だけ行って、合えば延ばす。そのくらいの設計が安全だ。
長い期間を決めると、合わないときに我慢する理由が生まれる。せっかく払った費用や、決めた予定が、判断を鈍らせる。
短ければ、失敗しても戻りやすい。戻ったあとに別の選択肢を取れる。若いうちは、その身軽さが武器になる。
渡航前に、次のことは決めておいたほうがいい。
- 留学で得たいことを一文で書く。
- 合わないと感じたときの判断期限を決める。
- 帰国後の予定を、薄くてもいいので用意する。
- 費用は、戻れない前提で考える。
- 相談できる相手を、現地と日本に作る。
- 日記などで、その日の状態を残す。
特に、判断の期限を決めておくのは効く。ずるずると延ばすのが、いちばん良くない。期限があれば、そこで一度立ち止まれる。
やめるときに思ったこと
やめると決めてから、気持ちは軽くなった。残りの日々を、義務ではなく体験として過ごせた。最後の一ヶ月は、むしろ楽しかった。
もったいないという声は、気にしなくていい。お金と時間は戻らないが、合わない場所に居続けても戻らない。同じなら、自分が動けるほうを選ぶ。
ただ、逃げるのと、判断するのは違う。逃げるなら、どこかで同じ壁に当たる。自分は、目的がないことから逃げただけだった。それは認めている。
まとめ
留学は、行けば何かが変わるわけではない。目的がなければ、環境が良くても飽きる。自分がその例だ。
それでも、行ったことには意味があった。合わないと分かったことも、一つの答えだ。行かなければ、ずっと憧れたままだった。
これから行く人には、目的を一つ決めてほしい。そして、期間は短く始めてほしい。それだけで、途中で帰る確率は下がる。